SHI-NO 黒き魂の少女

富士見ミステリー文庫
著／上月雨音
挿絵／東条さかな


富士見ミステリー文庫には始めて手を出しました。
元々、ミステリーはあんまり読まないので。読んだことあるのも、アガサ・クリスティとかコナン・ドイルとか、所謂古典に寄ってるし。
とはいえ、手にした理由は、ミステリー読みたいとかそういうわけじゃなく、表紙の女の子に惹かれたなんてことなんですが。
表紙に目を付け手を伸ばし。ぺらっと捲って折り返しの解説文を読んで、そのままレジに向かいました。
大学生の"僕"と小学生の"志乃ちゃん"ですよ！
これはもう、私に買えと言ってるとしか。円環少女以来の"大人と子供"です。ねこまっしぐら。

ショッピングセンターのフードコートに三角チョコパイとフライドポテト、オレンジジュースを友に居座って、一気に読みました。
最初はオムニバス形式なのかしら、と思いました。
個別の―――スタンド・アローンな３つの事件。そのはずが、面白いようにくるくると、繋がっていってちょっと身震い。
全ての糸車を廻しているのは志乃ちゃんかと思った。
いったん解決したかに見せかけて、２段構えの真相が待ち構えている。ミステリとしても楽しめました。金田一のお孫さんとか頭脳は大人で体が子供な名探偵の活躍する漫画とは毛色が違うけど、私はこういうのもいけるな、と。
でも、"純愛系"と銘打つだけあって、主眼は"僕"と"志乃ちゃん"の心の交流なのよ！と思ってみる。
"僕"の押し付けがましい真摯な気持ちがすごく、好きです。

……でも、一番強烈な感想は、東条さかなさんのビジュアルが秀逸、ってことかなあ……。
表紙といい、挿絵といい、最高です。志乃ちゃんかわいい。
表紙買い候補の絵師さんが増えてしまった……（笑）
（今までの表紙買い絵師さん⇒宮城さん、純珪一さん）